2006年 3月23日 「ビター スイート Bitter Sweet」  原題:濃厚不倫 とられた女 
名古屋シネマテーク


先日のピンク映画「花井さちこの華麗な生涯」が事のほか面白く、
エロ映画祭りの2作品目も女池監督の作品で、今度はちょっとマジメで切ない感じの作風なんだとか。
うーん、観たい。あのおバカ映画を作った女池監督の違う一面が観たい。

そんな訳で、「ビター スイート」を観てきました。
上にもありますが、公開時のタイトルは「濃厚不倫 とられた女」です。
今回の映画は再編集されておらず、ピンク映画の60分以内という制約どおり58分。
うん、短くていいぞ。最近短い映画が好きになってきましたよ。140分とか聞くとアゴがもげそうです。

簡単なストーリーは、役所へ婚姻届を貰いに来た女と、離婚届を貰いに来た男が出会い
戸惑いながらもお互いに惹かれ、人生を変化させていく・・・ という感じでしょうか。

この映画はかなりいい。
どういいかって、妙にリアルな「セックスから始る恋愛」をしっかり描いていますよ。
内容的にはあり得ないような気がしますが、そうは思わせないのが凄いんです。
そこら辺のドラマでは出来ないリアルなエロシーンが、さらにそれを引き立てており、かなり現実味があります。
「普通の映画では見せる事が出来ない部分を自由に描ける。」
当たり前の事ですが、これってピンク映画が出来る唯一の事だなぁと実感しました。
(他にも色々な可能性はあるとは思いますが)

さらに、このエロシーンの演出がかなりいいんです。
例えば、重要なエロシーンでは無音にしてみたり、主人公の視線が行くであろう場所に映像が飛んだり。
コレはコレで、本当にエロい演出。監督のセンスの良さを感じました。
きっと、気持ちが入ってしまった時の感覚ってこんな感じなんでしょうね。(妹。にはよく分らないけど)

58分という短い作品なのに、二時間映画を観たかのような満足感。
「あのまま結婚してたら、普通に幸せだったのに・・・」という搾り出すような言葉が、印象的でした。
原題は「濃厚不倫 とられた女」ですが、今回の「ビター スイート」だと、かなり切ないフランス映画みたいですし、
ちょっとお洒落映画の分類になるかも。女の子も気軽に観れますよね。

この映画の良くないところは、心弾ませながらエロ映画を観に来たオジサンをそういった意味で満足させられない事。
多少はエロいのですが、それ以前に、少々お話が重くてしんみりしちゃうかも知れません。

しんみりと言えば、男の妻役でかなりいい味出してた林由美香さんが昨年6月に急逝されているそう。
どんな方なのかな?と調べてみると、とても有名なAV女優さんだったらしく、
ピンク映画でもかなりの数を出演されていた名女優さんだったらしいです。まだまだお若いのに残念ですよね。

あ、あとコッソリ言いたいのですが、この主演の男優さんが有名ラーメン屋さんの店主さんに酷似
ありえないくらい似てます。渋くてカッコいいところも、本人そっくりですよ。
誰とは言えませんが、予告編とか観たら分るかなー。女性陣にはちょっと難問かも。


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