2006年 3月18日 「花井さちこの華麗な生涯」
名古屋シネマテーク


妹。って時々、聞いた事も無い妙な映画を観るんだなーと思っていらっしゃる方も多いかと思いますが、
今回の映画は大きな声では言えない一段と妙な映画で、簡単に言うと、ピンク映画なんです。
新聞の映画上映一欄にコッソリありますよね。
「熟女乱れ恥汁なんとか」とか、「淫狂看護婦の午後診なんとか」とか。アレです アレ(恥

今回の映画は、シネマテークで企画された「新ピンクスペシャル」。簡単に言うとエロ映画祭りです。
ピンク映画として製作され、その傑作ぶりに一般公開される事になった3作品と製作ドキュメンタリーの1本。

そのうち、一番評判が良く、わざわざ90分版に再編集された作品「花井さちこの華麗な生涯」を観て来ました。
(ピンク映画には60分という制約があるらしく、この作品は90分くらい撮って60分に切って上映してたそう)
大きな声では言えませんが原題は「発情家庭教師 先生の愛汁」です。
いやーエロい原題ですよね(汗
26歳女子が見るような映画じゃない気がします。

・・・さぁ、ここまでで何人の方が「戻る」ボタンを押したでしょうか・・・。
残って頂けたエロい 好奇心旺盛な方ありがとうございます。

この日は初日で、上映終了後には監督2名のトークショーがあるんだとか。
それは混みそうだな、とお昼くらいにチケットを購入すると整理番号1番。うそーん(汗
夕飯を済ませて劇場に着くと、シネマテークらしからぬ混雑ぶりです。
もちろんオール男性。しかもマニアックで濃いタイプの方ばっかりです。
浮いてるー 私浮いてるー あはははぶdこh(壊

緊張して待っていると、ついにミニシアター特有の係員さんによる整理番号点呼入場が始ります。
「はい、1番の方お入り下さい」の声で、オジサン方をかき分け半笑いのまま一歩前に出る妹。
突き刺さる視線を感じつつ、『せっかく選べるのだから、いい位置で観たい』という癖がでて
一番前のど真ん中に座る自分。へへっ恥ずかしかったけど、いい席だ。
と思った瞬間、上映後のトークショーの事を思い出す妹。
もしや、監督の目の前? やっ・・ やばい、恥ずかしい(汗

お弁当で言えば茶色系の観客(失礼)の中で、張り切って極上の席でピンク映画を観る26歳女に幸アレ。

さて、問題の映画です(汗
簡単なストーリーは、イメクラ嬢のさちこは、発砲事件に巻きこまれ、額に流れ弾を受けてしまうが、
それをきっかけに天才的な頭脳の持ち主と化す。
一方、某国の工作員・キムは、世界の存亡に関わる“大統領の指”を探すうち、さちこに辿りつくが…。

またもやテークの紹介文を拝借です。いやー本当に分りやすいですよね。(いいのか)
ハッキリ言って面白かったです。ほぼオッサンで満席の上映中はゲラゲラと笑い声が。

思いっきりストレートな絡みシーンが度々あり、頬が赤くなりますが、
それ以上にベタなのに個性的なストーリー。笑い所が満載でテンポも良く、結構好きな分類です。
政治的な事柄をおちょくってるところも、小道具を紐で引っ張ったりしているチープさも、くすくす笑えました。
エロシーンを短縮してくれれば、「ちょっとエッチだけど面白いよ」と友人に紹介できそうですよ。
エロいけど、好きです。本当にエロいけど。
ちなみに大好きな田中要次さんがほんの少し登場したのが嬉しかったです。(60分版ではカットされてるらしい?)

トークショーでは、そこら辺を歩いてそうな女池監督、次作品「かえるのうた」の いまおかしんじ監督が登場。
小さな壇上にパイプ椅子が並べられ、ピンク映画マニア(映画雑誌編集者?)の司会でスタートです。
「ブッシュ大統領の映像はNステーショ○のだと思うんだけど、許可撮ってないから秘密にね」とか
「海外で上映した時、観客がゲラゲラ笑ってくれて喜んだけど、くだらないコメディ映画でも同じようにゲラゲラ笑ってた」とか
なかなか面白いお話が聞けました。でも一時間近く話が続き、終わったのは夜11時すぎ・・・お尻が痛いです。

主演のさちこ役の女性 黒田エミさん。普通のAV女優なのかな?と少し調べてみるとなんと素敵な前歴が。
まず、数年前にAV男優のチョコボール向井がハプニングバーで逮捕された時のお相手が彼女。
ここでチョコボールさんと一緒にお縄を頂いています。

今ではもうAVには出演されていないようですが(多分)、初代タイガーマスクの佐山聡氏が考案した
総合格闘技「修斗」やパンクラスのリングにあがり、健闘している格闘家なんだとか。
ちなみに、ある試合で対戦した相手(篠原光)の父親というのが、力道山を刺した人だったり、
話題性もバッチリですよね。(汗

トークショーでいまおか監督が「数年前にピンク映画の上映スケジュールが『ぴあ』から外された事があった。
それで疎外感を感じたし、やってやろうって気持ちになった」というような話をされていました。
確かにエロくて放送は出来ませんが、暗い闇に追いやる作品でも無いと思うんです。
普通に映画として面白いんですよ、「皆で見よう!」とは言いませんが、
少なくともAVでは無いと言う事を大きな声で言いたいです。

とにかく、スカッと笑ってジメジメした劇場を出ると晴天のお昼時。停めてあった自転車のサドルが暖かい。
もう春だなと思いつつ劇場を後にする・・・そんな状況が似合う映画だなぁと思いました。

残念ながら、この作品は3日間しか上映していません。
でも、大丈夫ですよ 私みたいに恥ずかしい思いをしないでも見れます。(子供は見ちゃダメ)


妹。のあしあと TOPに戻る