2005年12月20日 「男たちの大和/YAMATO」
TOHOシネマズ名古屋ベイシティ

しばらくぶりの映画です。巨額の予算で作り上げた戦艦大和の物語「男たちの大和」を観てきました。
思っていた以上の凄いセットに、迫力のある艦体。この映画を1800円で見られるのはちょっとお得気分です。
(実はレイトショーで見たので、1200円。さらにお得ですよね)

ここからネタバレしてしまいますので、観に行こうと思っている方はここまでにして、また鑑賞後に来てください。
忘れないように、しおりを付けておきましょうね。


------------------------鑑賞予定の方はここまで読みました----------------------------



さて、観に行く時間が無い方と、既に観られた方、こんにちは。
よーし、生暖かくネタバレしますよっ

この映画、何がいいって、まず有名な役者さんの「大御所の香り」がプンプンしない。
もちろん大御所は上官幹部の役で、ほとんど出てこないからかも知れませんが。
見所は若い水兵で、名前も覚えていないような若い役者さんの熱演が、とても気持ちが良いです。

主演として、丸刈りの中村獅童が切れ気味のいい演技をし、反町隆史は兵水兵の食を任される烹炊所の班長。
飯場に立つ白いエプロン姿がりりしくて、ご飯係ならではの(?)死へ向かう水兵への複雑な思い
こちらまで伝わってきます。見た目のカッコ良さだけをとりえにされず、いい配役に思えましたよ。
これで、良いとこどりの優しくてカッコイイ士官みたいな役だったら、ちょっとガッカリです。
また、本当の主演男優であろう、若き水兵役「松山ケンイチ」君が迫真の演技で素晴らしかったです。
さらに「変身」の倉井優ちゃんが素朴な少女を演じ、凄く可愛い。本当に守りたくなる女性像だと思いました。

戦闘シーンでは、波しぶきなのか鮮血なのか分らない中、歯を食いしばり戦う水兵。
迫ってくる戦闘機を「いけ!撃ち落とせ!」と応援しつつ、次第に「だめだ!死ぬな!」という気分に移り変わる私。
この物凄い迫力の中、ただ「戦争反対!」と思う人は少ないのではないかと思います。
(戦争についての考えは色々ですが)

また、日本万歳だったり、思想的でも無くて、敵である米兵もほとんど出てきません。(多分一度も無い)
『男たちの〜』と冠が付いてますが、人間模様が中心で、涙が出るのは母親や幼馴染といった女性との場面です。
自分達には守りたい人が居る」という意志が、スクリーンから滲み出て、守られた子孫の私達に語りかけます。
「守りたい」と思い、散っていく若い水兵。彼らに後悔は無く、とても潔い。カッコいいぞ日本男児。
このために、見終わった後に落ち込むような、ただの悲惨な映画にはならないんですね。

ふと劇中に聞いた事のある歌が。あれ・・何だっけ・・? 本当に一瞬でしたが、映画そっちのけで記憶を辿る私。
うわ、私の祖父が時々歌っていた歌です。幼い頃夜中にトイレに起きると、酔って小声で鼻歌を歌うおじいちゃん・・。
あぁ、あの歌は軍歌だったんだ・・・。そういえば、何となくそんな気はしていましたが、何も考えずに
たまに鼻歌で歌ってました。幼い頃の記憶って意外と覚えてるんですね。

で、こんな便利なインターネット。さっそく覚えている歌詞で調べてみると・・「同期の桜」という曲である事が判明。
単調で分りやすい軍歌。かなり有名な曲みたいで、また歌詞がグッときます。

そう言えば・・と、仏壇に行き、よくよく覗いてみると・・・軍服を着た人の写真が。さらに、錆びた小さな勲章まで。
もう終戦60年と言うけれど、そこまで昔のように思えませんよね。
戦争反対と言う前に、「じいちゃん、ばあちゃんありがとう。」と、改めて思う映画でした。(まさかの身内オチ)



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