さぁ出発です。とりあえずブンブン車を走らせて、富山方面へ。
「なんだか広い道路だな、雪がいっぱい降るからかな?うわ、わかんないー」なんて思いつつ走っていると
一瞬、建物の間から見えた立派なお寺のような物。(←運転中なので定かではない)。
せっかくなので見ていこう、ブラリ旅万歳!とUターンをして寄り道です。

やっぱお寺でした。でっかいなー。
めちゃんこ太い樹。夜中に歩いてそうですよね。(んなこたーない)

ジャリジャリと歩き回っていると、マイルドにお腹が空いている自分に気が付きます。
寄り道しすぎた!と10分くらいしか居なかったお寺(善徳寺)を後にして、オススメしてもらったお店へ急ぎました。

オススメ頂いたのは、富山県南砺市福光にある春乃色食堂。すごくいい名前ですよね。
なんでも、前田藩の米蔵を改装し、お店を始めたのが大正12年。
外見も店内も大正時代そのままの雰囲気を残している福光の名物食堂なんだとか。
「それは古いな、古すぎだな」と思いつつ軽やかに到着。
学校みたいな建物。(ロールオーバーで提灯あんこうみたいですよね)
あぁ、ここで何人の人が頬にご飯粒を付けて帰っていったんだろう・・・ビバ、大正浪漫、昭和生まれの私を包んで・・・。
そんな食堂の歴史に身を委ねる思いを込めて踏み込むと・・・
・・・扉がもう一枚あるもんだから吉本ばりにコケたよ。

この二枚目を開けたら、また扉に「残念、食堂はあっち」とか書いてあって、
たらい回しも面白いよなと思ったんですが、この扉の向こうは、マッタリとした食堂空間でした。

レトロな木製のカウンターに、これまたレトロなテーブル席が3つほど。
テーブルにはレトロなお婆ちゃんに、新しめのお孫さんが二人。足をブラブラさせて、おでんを食べていました。

テーブルに座り、カバンと帽子をイスに置いて中華そば(400円)を注文。
おでんのコンニャクを箸に差し、チラチラこちらを伺う可愛らしいおかっぱの少女。
おしぼりがあったらヒヨコを作ってあげるんだけどな・・・と思っていると、中華そばが到着です。
一瞬で童心に戻れる丼。可愛すぎ。

目の前に現れた瞬間に「あぁこの食堂系のふんわり感」と思ってしまったのですが、麺の量が少ないからでしょうか。
ああ、そうか麺が自由奔放に泳いでいるからかな。この緩い感じが好きです。

味は、あっさりした優しい奥さまタイプ。奥さまって言っても、若くてエアロビやってるような奥さまではなくて、
「裏にね、キュウリがいっぱいなっとるけ、持って帰りなさいね」なんて言う、日焼けした母さんって感じでしょうか。
「技とか何にも知らんけど、嫁に来る時、婆ちゃんに習ってねぇ、それしか知らないからねぇ 美味しいかい?」
そんな声が聞こえてきそうな感じでした。(自分でもよく分らない)

印象に残ったのは麺。ほんのり色白で、口当たりがとても良かったです。
あぁすごく美味しかった、ご馳走様でしたとお店を出て、かるく額の汗を拭い帽子を被りました。



さぁ、お昼にもう一軒食べますよ。軽やかに車を走らせ、地図を回しながら富山市へ。
名古屋っ子の妹。には珍しい路面電車が走っているもんですから、運転が怖かったです。
乗った事は無いのですが、ほのぼのしてていいですよね。
ちんちん電車ってやつでしょうか。

さぁ、お昼二軒目は富山ブラックが食べられる大喜へ。
大通りからピョッと入ったところにありましたよ、黒いお家。
暖簾も黒いんだね。

お店は細長く、通路の両側にカウンターが。白いシャツのお姉さんがズルズルとラーメンを食べていました。
丸椅子に座り帽子を膝に置いて、中華そば(小)を注文。
あぁ小さいサイズがあって良かったーと思って、目の前の壁を見上げると、
多色刷りの浮世絵版画(多分)がズラーッと何枚も飾られています。
単色(ブラック)と、かけてるのかな?いや、それは考えすぎだなーなんて思っていると来たよ黒いのが。
そ、そうか(小)は並の量なんだ。

「よく混ぜて召しませラーメン。(妹。の脳内で変換済み)」と言い、細い通路を帰っていく店員さん。
「ほーら、コレが食べたかった富山ブラックだよ」と薄笑いを浮かべる自分に言い聞かせ、
箸をパキリと割り、言われたとおりにグリングリン混ぜて、ズルズルズーーー・・・しっ・・ しょうゆー!!

見たままの醤油辛さに、妙に「そりゃそうだ」と納得したんですが、醤油辛いけどなんか美味しいんですよ。
今のところ大丈夫だわ・・・と、ゴロゴロ入っているチャーシューをパクリ。
あうっ 味が濃いけど・・・美味しい(笑 

なんだ、意外と美味しいじゃないか、辛いけど・・・と、半分気を許していたら・・・メンマが塩だ。
やられた、塩辛いよメンマ。君、凄いよ、自分じゃ分らないだろうけど、結構な味付けだよ・・とメンマに語る5秒間。
散らされた胡椒もいい仕事しているんだろうけど、ちょっと舌が塩辛さに負けそうです。

そういえば、ご飯のおかずになるラーメンを作ったら、この味付けになったんだよね、ライス頼もうかな〜
と壁のお品書きを見ると・・・見当たら無い(笑 
一番必要性の薄いと思われるジュースはあるのに・・・

少し固めの、ちょい太麺が無くなる頃、メンマはプカプカ浮いていたけど、君は居残りだと
スープをぐいぐい飲み、ご馳走様でしたとお店を後にしました。
食べた直後は「一度経験すればいいかな」と思っていたんですが、
このレポを書いていたら、また食べたくなってしまいました。でもご飯と一緒に食べてみたいなぁ。


さて、次の目的地に向かう途中の高岡市で、また路面電車が。
ちょうど時間も余っていたし、面白そうだったので乗ってみる事に。

実は路面に限らず、名古屋のバス・地下鉄以外はあまり乗った事が無いんです。つまり乗り方が分らない(笑
前の人の行動を真似て、チケットを引き抜くことに成功。あードキドキした。
万葉線だって。どんな経路なのか帰ったら調べようと思って忘れてt・・
動き出すと、仲良く一緒に揺れる吊り輪。いいですねぇ。
線路の上は俺の道。みんなーどけどけーって感じ。

電車の窓は気持ちがいいほど開いており、風がビュンビュン。こりゃ冷房は要らないなー
なんてとても楽しんでいたんですが どうやって料金を払い、降りるんだろう(汗

運転手さんも忙しそうだし、終点まではそんなに遠くないみたいだったので、行っちゃいました。
街を出ると、田舎道や川を抜けて海へ。うわー気持ちがいいぞ。いい電車に乗ったなぁ。
そして終点。すぐそこは海です。気持ちいいなー。
駅に到着した途端、自販機でお茶を購入。うーん冷たくて、いつも以上に美味しい。
そして15分ほどで街に戻る電車が迎えに来てくれました。どーもどーも。

電車内で冷たいペットボトルの蓋を閉めたとき、自分の身に起こりつつある変化に気が付き、
お茶の量が激減していく度に、それは確信へと変わっていったのでございます。



「水!水!」ハンドルを持つ手がわずかに震え、眼球は物凄い勢いでコンビニを探します。
私は普段、あまり水分を取らないのですが、猛烈な喉の渇きに、かつて無い焦りを感じてしまいました。
一本飲んでは、また求め・・・次第に濃くなる黒の色。あぁ、原因はさっきの富山ブラックさんだ。

スープを飲みすぎたなぁと反省しつつ、友人との夜の待ち合わせまで、まだ時間があるので
その前に、オマケでオススメ頂いたお店へ行ってみる事に。
分りにくい所にあるお店らしいけど、行けるかなぁ。
と思ったら、迷わず行けたよ。
無事到着したのは、氷見市の紋食堂
なんでも富山では知る人ぞ知る隠れた名店らしいですよ。わくわくー。

ゴリゴリと扉を開けて、こんにちは。
ふわっと新築の匂いのする、カウンターにテーブル・お座敷の広いお店でした。
「いらっしゃーい」と迎えてくれたのは、エプロン姿が可愛らしいオバちゃん。
いかにも料理が得意そうで、デカい桶で一気に20人分くらいのちらし寿司を作りそうですよ。
あーオバちゃんのお寿司食べたい。(´・ェ・`)

でも、このお店には寿司は無いみたいだったので、中華そばにしました。(最初からそのつもりのくせに)
わー胡椒がいっぱ・・ ヘックシッ
わーお、てっきりアッサリした食堂っぽいラーメンが出てくると思っていたのに、
登場したのは、こてこて豚ラーメン。(とんこつ) 嬉しい誤算に、妹。の鼻も膨らみます。

黄色いスープをズズズ・・・うっわ・・ 美味しーーーー!!
ちょっ オバちゃん!美味しいよ!オイラ、ビックリだよ。
醤油は丸いは、脂は丸いは、もう大変。思わず丼持ち上げて、直丼でグビグビ飲んでしまいましたよ。

興奮しつつ、メンマをパクリ・・メ・・・ メンマあんまっ!!!(甘
甘いよ、メンマ。甘すぎだよ。半径二キロ以内の蟻が寄って来ちゃうよ、この甘繊維。
もう、さっきの黒い塩メンマに食べさせてやりたいですよ、この甘メンマ!(甘メンマって早口言葉みたいですよね)

そういえば、さっきの春乃色食堂でもいらっしゃった赤い渦巻きかまぼこ。
何だったんだろうと、今、調べてみたら、富山の赤巻と言うかまぼこらしいです。へー。
いやぁ、美味しい。とても好きな味のラーメンでした。

興奮して、お会計時にオバちゃんに話しかけると、
「初めてのお客さんだったから、脂少なめにしといたよ。若い人だと、もう少し脂入れるねぇ」とニコリ。
ほーっ もっとコッテリも出来るんですか、それも食べてみたいなぁ。

お近くに行かれたら、是非・・ いっ 行ってみてねっ(汗
うどんもあるでよ。
よーし、お腹がいっぱいだ。待ち合わせの金沢まで、お茶を片手に一気に車を走らせます。
無事、友人と金沢で落ち合い、近くの居酒屋へ。
あんなにお茶をグビグビ飲んだのに、ビールをどんどん吸収するもんだから、驚いちゃったよ。
北陸ってば、お魚ちゃん、本気で美味しいですね!目からうろこ出まくりです。(気持ち悪い)
ロールオーバーで、満腹で刺身盛だけのつもりが・・・。
ホテルに戻り、ビールと充実感で、ぐっすりと眠りました。
明日も楽しみだなぁ。


二日目へ続きます。


乙女検索用 ♪数
春乃色食堂 マーク無し レトロな食堂に乙女はミスマッチ?二重扉でドキドキしてしまうかも。
大喜      ♪ カウンター席のみで、広々。店員さんも気を配ってくれるし、意外と大丈夫。

紋食堂    マーク無し 看板が無ければ民家。お客さんも常連さんが多そうだけど、奥さんはやさしいっす。

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