大ぞう 岐阜駅南、加納上本町4バス停前 定休日は日曜日のようです。
マーク無し 街の食堂。黒い暖簾が目印です。ちょっと入りにくい店構えですが、落ち着ける雰囲気ですよ。
可愛いおばあちゃんに逢いに行こう。
2006年 4月 1日

岐阜にいい食堂がありますよと情報を頂き、早速行って来ました。(情報ありがとうございます)
目指すは岐阜駅。朝食を食べずに車に乗り込みます。昨晩寝たのは4時・・・眠いぜベイビー。

寝ぼけまなこで岐阜駅南のパス停近くだよなと探っていると、しっかりバス停まん前にありましたよ 
なんだか妖気が漂っていそうな
 貫禄のある黒い暖簾が素敵です。
黒ってカッコイイよね。

風になびく黒い暖簾にオレンジ色のテント。 こっ ここだー(看板見当たらないけど)とニコニコしてカメラを構えると、
ナイスタイミングで引き戸からひょっこり顔を出したご主人。 あっ ちょ・・ すいません 怪しいものでは(汗

ちょうど救急車が道をピーポー言わせて走っており、その音を聞きつけて顔を覗かせたようです。
サッとカメラを隠し、「あら なにかしら」とオバサンっぽく一緒に救急車を眺めます。あーなにやってんだ 私。

お店に入ると、微笑みながら歳を重ねたであろうおばあちゃんが「いらっしゃい(ニコニコ)」と暖かく迎えてくれました。
店内はテーブル席とお座敷、奥にはコの字カウンター(使われていないっぽい)に、お惣菜のショーケースが。
檻に囲まれたストーブがデーンと置いてあり、ほんのり暖かいお座敷に座りました。
早速、中華そば400円を注文。ご主人が元気よく「はいよー」と発声してくれました。
のどかで家庭的な雰囲気。

のったりした座布団に座り、おばあちゃんが入れてくれたお茶を飲んでゆっくりしていると、ガラガラとお客さんが。
振り返って見ると、これまた雛菊のようなおばあちゃんが。
あぁ、このお店の雰囲気に、あのおばあちゃん。グアム旅行のオプションでバナナボートがあるみたいに
ごく普通に通っているんだな、いいなぁと思っていると、おばあちゃんが一言。

「中華そばちょうだい」

・・・えーーーっ!おばあちゃんラーメン食べるの?いいの?サバの味噌煮じゃなくてラーメン?!
思いもよらない言葉に、顔がつっぱりました。

今回は同行者がおり、私の好きな映画や音楽の話に夢中になっていると
おばあちゃんがラーメンをひとつづつお盆に乗せて運んできてくれました。あ、ゆっくりでいいですよー。
あう、練り物三連発。

サッと写真を撮り、箸を持ちますが、先ほどの夢中になっていた話がちょうどいいところで途切れており
食べる前に言い終わっておきたいな・・・と思い、それでさ・・・田島さんが・・
くんくんくん・・・ うわ、良い香り・・・そっ それどころでは無いぞ
と箸を割ります。
ズルズルズル・・・ おー 思ったとおり。 おっ 美味しい(笑

なんでしょう、優しくキリッとしたスープ。お魚が濃い目かな。
口に含んで、ゆっくりゴクッとしたくなります。

ふんわりした麺は、特に特徴は無いけど 口当たりが優しくて箸が麺を運びたがるんです。落ち着け私。
チャーシューは一瞬、塩分濃い目かなと思ったのですが、「いや濃くてもいいじゃない。濃いとか言って好きなくせに。」
そんな無邪気な声が聞こえてきそうです。ちょうどパクッと口に入れて旨みをかみ締められるサイズで
美味しくて憎い奴でした。うん、君みたいな肉好きなんだ。(照
今思えば、ちょうどいい塩味だったのかも。

ふと、先ほどのお客さんとおばあちゃんのおしゃべりが聞こえてきます。
なんとお客の女性は90歳なんだとか。血圧が気になるわなんて話していますが
それでも、このラーメンが食べたくなるお気持ちが分る気がしますよ。

何の飾り気も無い普通のラーメンだけど、心の奥底に住み着くようなラーメン。
憧れとかじゃなくて、素朴で、気を使わなくてもいい親友みたいなラーメンだなぁと思いました。

サクッと食べてしまって、ご馳走様でした。 あー もっと食べたい。
茶色く香ばしいお茶を飲み、ストーブにあたりながら靴を履いてお会計を。

にっこりと笑顔の美しいおばあちゃんに微笑まれて、ついつい大好物の芋(200円)を買ってしまい、
若さは美しい。しかし美しさは若さではないのだ・・・と好きな言葉を反芻しつつ車に乗り込みました。
ビニールの中に、芋とオマケのチョコが入ってた嬉しさプライスレス。


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