2006年 1月28日 和歌山ラーメンを食べに行こう。

ラーメンレポがやっと100軒に。
自分にご褒美的なものを・・と、和歌山県に行く事にしました。
以前、和歌山ラーメンの話を聞いた事があり、ちょっと気になっていたんです。

そんな和歌山ラーメンの特徴的で面白いルーツを簡単に。
(間違っているところは教えて優しい方)

和歌山市内を走る路面電車。その線路沿いには蛍のような優しい光が点々と燈っている。
ズームアップしてみると、豚骨の香りと、そこに集う人々の話し声で賑やか。
そう屋台群だ。中にはバスの車内を使った屋台までが見られる。

数多くの屋台に、家族連れや仕事帰りのサラリーマン。
夜中に小腹が空いたのか寝巻き姿のオヤジが自前の丼を持って買いに来ている。
屋台はオーナーなりにカッコイイ店名を付けただろうが、人々は屋台のある場所で呼ぶ。
例えば「堀止駅前」とか「車庫前」だとか。

時代とともに路面電車は廃止され、さらに国体の為に道路が整備される事となる。
「お前よりもでかい店を作ってやる!」「困ったな、俺の店は狭くなりそうだ 行列しちゃうぜ」なんて言葉が
交わされたかどうかは分からないが、屋台の中華そば屋は市内各地へ散らばり店を建て、
特に市電の車庫があった場所には多くの屋台が並んだため、
この流れをくむラーメン店が車庫前系
と言われる。

また、井出系と呼ばれる有名店井出商店
「TVチャンピオン」という番組で和歌山ラーメンを全国的に有名にしたお店です。
ある日、豚骨を煮込みすぎてしまいスープを濁らせてしまいましたが、
逆にそれが美味しくて評判になり、その暖簾わけをされたお店が井出系と呼ばれます。

と言うか、井出系車庫前系と言う呼び名は新横浜ラーメン博物館館長によって区別され
地元の人はこういった呼び方はしないそうです。
そんな感じで二つの系統があるんだなと予習した後、約3時間で和歌山市内に到着です。
(もう少し詳しいのはこちらで。)


インターを降り、ふんわり走るといきなり「井出商店」に到着。
黄色い看板が「遠征ですか?ようこそ」と暖かく迎え入れてくれます。
大きな交差点にひょっこり有名店が。
裏には駐車場が数台あり、ちょうどお昼時で、続々と到着した車がそそくさと車庫入れをしています。
これは急がねば、とお店へ。お店の前には排気口から豚骨の香り・・・と言うか、匂いが漂っています。
とんぱーれを思い出しつつ待っていると、食べ終わった家族連れがひょっこり暖簾を掻き分けて
出てきてくれたので、すぐにお店に入ることが出来ました。やったー。

狭い店内の真ん中にテーブル席と両ふちに短いカウンターが2本。席は全部で15席くらいでしょうか。
さらに、かなり小さなお座敷スペースにミニテーブルが置かれ、おままごと気分でラーメンが食べられる席も。
大人が2人がギリギリお尻を乗せて食べられる程度です。面白いなぁ。

テーブルの上には和歌山ラーメンお決まりの『はや寿司』。さらに巻き寿司も積んでありました。
はい、こんにちは。
丼のロゴが回転寿司みたいで、まずそこに目が行ってしまいましたが、お花のかまぼこが可愛い(ノ´∀`*)
と言うか、実は、お花かまぼこは最後の方にスープに沈んでいたのが出てきて気がつきました。
それ程にラーメンに集中していて、気がつくとモリモリ食べており、味とか全く考えていなかったんです。

思っていたより、優しいというか大人しい印象のラーメン。凄く美味しくて、記憶が飛びました。
上半身が幸せな温度になったところでご馳走様でした。うーん、もう一杯食べたい。

食べている人にぶつからないようにお会計を済ませ、次のお店「山為食堂」へ。
もう車でぴゅーっと走ればすぐ到着です。こじんまりとしていい街ですよね。
 
赤いテントの上に、さらにテントが伸びています。紫色の暖簾が渋くて素敵ですよね。
到着した時は行列はありませんでしたが、店内は満員。店内で待っている人が数人居ました。
15分ほど暖簾を眺めて店内へ。

店内は細長い作りで、テーブルがぽんぽんと並べてあり、まさに食堂。
木製で家庭的な椅子はとても低く、座ったとたんに壊してしまったかと思って「うひゃあ」を驚いてしまい、
相席のオジサマを驚かせてしまいました。いやーびっくりしたなぁもう(汗
練り物が2種類。
二杯目でもウキウキで箸を取ります。やや太目で柔らかめの麺にコッテリしたスープがノリノリです。
結構コッテリしていて麺もボリュームがあり、全部食べられるだろうかと心配になりましたが、
なぜか途中で「あ、全部イケル」と思ったんです。濃くても、後味がボッタリしていないと言うか、
あ、これは意外と後味スッキリと言うんでしょうか。なにかのCMみたいですよね。

目の前のオジサマはライスを片手にモリモリ食べていらっしゃいます。 あーそれいいなぁ。
まさにライスに合いそうなスープ。途中に食べる練り物も寄り道にちょうど良くて素敵。
でもチャーシューが脂ブリブリだったので、ちょっと3枚はきつかったです。

満腹になっても丼を持ち上げてスープをズズズッ。・・・美味しい
和歌山ラーメンは基本的にレンゲがついてこないようで、丼から直スープしなきゃいけません。
今まであまりやった事ありませんでしたが、こうして飲むと美味しく思えるのは何故でしょう。
私ワイルドになっちゃったワ、と席を立ちご馳走様でした。

さて、せっかくの和歌山だし観光もしましょうと和歌山城へ。
ポコッと高台にあるお城を目指して石段を登ります。お城の中には鎧や槍、刀などが展示してあり
ちょっとした遠足気分に。天守閣からの眺めも良くて、かなり気分転換になりました。
←いいアングルと思ったら知らないおじさんが居た。
まだお腹は空かないので(当たり前)、コンビニに立ち寄り観光本を購入し、
少し走れば海の見える温泉があると言うことで行ってみる事に。

到着したのはバブリーな雰囲気が突き刺さる和歌山マリーナシティ

ヨーロッパテイストの町並みが素敵なショッピング街。土曜でしたがあまり混雑はしていませんでした。
この日は風が強くてとても寒かったです。海も近いので、寒さも倍増ですね。
なんとかランドの外壁がお城。
あそこにシータが立って、「パズゥゥゥ!」って叫ぶんですね
(ジブリファンの同意の声が聞こえてきそうですワクワク)

すぐ側では、ドリフターズの「いい湯だな」がはちきれんばかりの大音量で鳴り響き、
なんとかランドとの不思議なハーモニーを醸し出す温泉に入り、
健康に良いっぽい竹のお茶を買い悶絶しているともう夕方です。
日が暮れてまいりました。

さぁ、3軒目は「大福軒」です。
温泉からも近く、吸い込まれるように店内へ。
だいふく〜だいふく〜☆(特に深い意味はありません)
店内は広く、席も沢山ありましたが、時間帯のせいか空いていました。
エプロンのおばさんが1人だったので、これで満員だったら大変な事になりそうですが。
途中で店員さんが1人増えた気もしましたが、会計時に姿が見えなかったので忍者かも知れません

ここでは名物の早寿しを。
ミニサイズで可愛いこやつは、120円(たぶん)。何個食べられるかやってみたいです。
名古屋に帰ってからやるなら「まっち棒」にありますね。そう思うと、やらなくてもいい気がします。あちゃー。

はーい、三杯目でーす。
三杯目のこの子は、美味しい!ちょっとコッテリしているけど、サラッと食べられると言うか
誰かに丼の底を持ち上げられてるように、自然と丼からスープを飲んでしまいます。
醤油の香りがふわっと飛んできて、素直だけど、ちゃんと意見が言える子と言う感じでしょうか。
量も少なめなので、ペロッと食べてご馳走様でした。
時おり側を通るオバちゃんのナウいコロンの香りが大変印象的でした。

さぁ、もう少し食べよう、頑張れ私。4軒目は「正善」です。

明るい店内はアットホームな雰囲気。ここではお土産を買いました。
いい色をしていらっしゃる。
これまたマイルドで美味しい。大変好みです。
また、ぺらりとしたチャーシューが軽いのに無くてはならない存在と言ってもいいほど、美味しいです。
小さくて薄いので、口に入れた感じがつまみ食いをした感覚に似ています。
和歌山ラーメンは基本的にお肉がペらペらなんですね。
確かに、このラーメンにボブサップみたいなのが入ってたら、クドくて嫌ですね。(ビーストはどこでも嫌かも)
ここでもスープをスイスイ飲んでしまいたい衝動に駆られますが、少しだけにしました。


最後にえすが一番好きだと言っていた「丸高」へ。
歴史的には井出商店よりも古く、ここのお店が初めて屋台を出したとか・・。

かなりお腹がいっぱいですが、このお店だけは食べておきたかったんです。
ここまで来ると、もうレポは4軒にしようかと思いましたが(恥ずかしいので)、
私が大食いなのはご承知だと思うので書いておきます。ヤッパリチョット(/ω\)ハズカシーィ
アロチ☆アロチ☆(深い意味はありません)
4人がけと2人がけのテーブル席がぽこぽこと綺麗に並ぶ店内。全部食べられますようにとテーブルに座り、
なにげに邪魔な銀色の灰皿をテーブルの端へ追い詰めてラーメンを待ちます。
本日ラスト。
スープが昔の鳳凰みたいだ〜と思いつつ、レンゲがついてきた事にややビックリ。
食べ疲れのせいか、もう丼を持ち上げなくてもいいんだ・・レンゲって便利だなぁと、しみじみ思ってしまいました。

醤油の香りが強く、最後に振りかけられたらしい胡椒がまた美味しい。
初めにすすった麺に胡椒がかかっていたらしく、「あれ、いつの間に振りかけたんだろう・・私疲れてるのかな」と
テーブルの胡椒の入れ物を見つめてしまいました。

胸から下を豚骨君に抱っこされて、一番高い鉄棒に手が届いた醤油君みたいな、
そんな下から持ち上げられた感のある醤油味。麺によく絡んで、箸が進みます。

ここを食べ終わったら、しばらく君に会えないね。と、なるとの渦を凝視し、パクリ。
なんだか和歌山のかまぼこはふんわりと柔らかい気がします。
渦が入っているのは千代巻と言うらしく、和歌山独特のものらしいです。

「ありがとうございました〜」とニカッと笑う厨房のオジサンに「ご馳走様です〜」と微笑み返し、
心地よい満腹感を携えて帰路につきました。

どこのお店でも、スープも具も和歌山独特で統一感があるのに、似ているようで、少しずつ味が違うんです。
お寿司が置いてあったり、お会計が自己申告だったりしてとても面白い和歌山ラーメン。
どこのお店もすごく美味しくて、ババの入っていないババ抜きみたいです。
さらに市内にはお店が密集していて、なんだか街全体がラーメンテーマパークのようでした。

一日で5軒も食べてしまいましたが、和歌山ラーメンは麺の量が少ないので(値段も少し安い)
私が特別大食いなわけでも無いんですよ!(汗

いっぱい食べられるので、ちょっとした遠征にオススメです!

と言うわけで、人生一度は和歌山ラーメン! 君も豚骨醤油にまみれてみないか?
            イエス!連食! 買って!お土産! 

←丸高←正善


乙女検索用 ♪数
井出商店 マーク無し 狭い店内は、かなり緊張。女性店員さんも居るので頑張って。
山為食堂 マーク無し 多くの場合相席になります。一緒になったオジサンに話しかけちゃえ。
大福軒  広い店内で相席率低。優しげなおばさんが居てやや安心。
正善  家族で経営しているお店。壁に向かうカウンター席があるのでそこがいいかも。
丸高  小さなテーブル席が多く、意外と入りやすいです。頭上のテレビを見て時間を潰して。
♪数が少なくても、せっかくの遠征なので頑張って入って下さいね!



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