2008年5月11日 「ミスト
TOHOシネマズ名古屋ベイシティ



これは観なければなりますまい、なんて偉そうな事を思ってはいないのですが
ワクワクで足を運んだTOHOシネマズ名古屋ベイシティはとても賑わっていました。

日曜日だし、母の日だもんね(?)と思いチケットカウンターに並んでいると、
周りから「ミスト」「ミスト」と、ミストのチケットを買い求める人が多いこと。
あれ、そんなにCMしてたっけ?と思い、中サイズの劇場7に入るとお客さんがギッチリ。
も・・もしかして前田さん効果?

そう、この映画は超有名な映画批評サイト90点を貰っていたんです。
私もこのサイトを始めてから教えてもらったんですが、辛口で素敵なんですよ。
前田さんのおかげで気になっていた「靖国」も観る予定から外れて本当に良かったと思います。
このサイトで90点なんてめったに無い事ですから、そりゃあ期待しちゃいますよ。

そんな訳で前田さんに釣られた私も着席し、前田ホイホイと化した劇場は暗転、本編の始まり始まり。
予告どおり不気味な霧がブワ〜っと来て、うーんいいぞいいぞ。
まもなくウーロン茶片手にお気楽で観ていた私に、タラボン監督の攻撃が始まりました。

なんて表現したらいいんでしょうね、この気持ち。辛い、苦しい・・。
私の心がたまねぎだったら、それをお猿に一枚一枚剥かれる感じというか
凄く暇な時間に、ほとんどつぶし終わったプチプチを渡された・・・一言で言えば絶望かな?

そう、絶望ですよ。人間が落ちていく様をジワリジワリと描く監督。
正直、本気で怖いです。今では面白かったと思えるけれど、鑑賞直後は軽く鬱ですよ。
ここまで来ると霧の中にいるモノが何なのかってのはそんなに重要では無くて、
どうにも出来ない、霧のように振り払えない恐怖が鑑賞者を襲ってくるんです。

鑑賞中も、珍しく席を立つ人がチラホラ居て「帰るほど酷い映画じゃないよなぁ」と
思っていたんですが、しばらくすると戻ってきて・・・ははぁ〜ん尿 トイレですね。
怖いとトイレが近くなる現象を久しぶりに確認しましたよ。開始前に行っておいて良かったー。
と言いつつ、隣の人が死んでるんじゃないかとか、実は私の周りは全員マネキンなんじゃないかとか
理由も無くむやみに恐怖に溺れており、自分の弱いところがむき出しになったようでした(笑。

そんな訳で、凄く面白いけど、好きな映画ではありません。なんだかちょっと悲しくなるんです。
でも、数年後にもう一回くらいみたいような・・・いやぁ、やっぱやめとこ。(もはやツンデレでもない)

あ、実は同監督の「グリーン・マイル」は私が一番好きじゃない映画なんです。
唯一、嫌悪感いっぱいで劇場を後にした作品で、理解できない最高のトンチキプーですよ。
やっぱり、なんとなく雰囲気が似てるんですよね、ジワジワーッとくる嫌な感じ。
それがこの映画の醍醐味というか、いいところなんでしょう。
アレを見て鬱にならなければお勧め・・・いや、是非観て下さい。
一回でいいんです、あれですよ、ほら予防接種みたいな、ね。


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