2006年 8月18日 「ヨコハマメリー」 公式サイト(右の少女の絵をクリック)  予告(音が出ます) 
名古屋シネマテーク



 あなた知ってる?“ハマのメリー”

そんなキャッチコピーを見て、「えっ知らないよ!」とポスターに釘付けに。
真っ白な顔に濃い化粧、貴婦人のようなドレスに身を包み佇む老女のイラストと写真が。こ・・・怖い。

目線を文字に落とすと、なんと戦後50年間娼婦として横浜の街角に立ち、「ハマのメリー」と呼ばれた彼女。
その伝説の彼女が消えた今、その影を追うドキュメンタリー映画なんだとか。
ちょっ・・・ 80歳くらいに見えるのですが(汗

ポスターの説明を読み終わる前に財布を出し、最後の文字を眼で追いながら前売り券を購入しました。
そんなにも楽しみにしていたのに、気がつくと、なんと本日までの上映。 ・・・私の脳は元気だろうか。

内容はメリーさんと親友の関係にあったシャンソン歌手、永登元次郎さんや
メリーさんの髪を整えた美容師、同じ時代を共にしたホステスや三味線芸者、
元愚連隊の方などの話を聞き、当時の様子から今は姿を消したメリーさんの影を追うと言うもの。

ドキュメンタリーは単調で眠くなる事が多いのですが、コレは違いましたよ。
真っ白な顔で街角に立ち続ける事、50年。背骨は曲がり、奇抜な姿で娼婦を続ける姿。
それでも気品を保ち、強く美しいと思わせる・・そんな彼女の人生が興味深く思えるのは当たり前ですよね。

また、メリーさんの影が濃くなるにつれ、シャンソン歌手の永登元次郎さんとの関係が愛しくて
胸の奥をぐいぐい押されますよ。元次郎さん、素敵過ぎ。
なんだか元次郎さんが主役のような気さえしますよ。CD欲しいなぁ(←完売で手に入らないとか)

意外なラストは涙腺の位置を再確認するような、かなり素敵な場面。
カメラに向かって元次郎さん(末期がんで04年・逝去)が呟いた、清く愛を感じる一言を聞いて、また感動。
「これは映画に限りなく近いドキュメンタリー・・・ いや、人生は映画だ。」と、鼻水をすすりました。


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