2006年 8月17日 「ゆれる」
伏見 ミリオン座


「この映画、ご覧になる予定はありますか?」と聞かれ、オヨヨ(汗)、とノータッチだった映画の公式サイトを見ると
なんとも面白そうじゃあーりませんか!「予定は今から作ります!・・・はい、今度の木曜どうでしょう!」と
半ば強引にご一緒させていただき、行って来ましたよオダギリジョー主演の「ゆれる」

簡単なストーリーは、田舎を出て煌びやかな世界で暮らす売れっ子カメラマンの弟(オダギリ)。
田舎に残り、頑固な父親と家業のガソリンスタンドでニコヤカにせっせと働く兄(香川照之)。
ある日、弟は母親の一周忌で田舎へ戻る事に。

彼らには幼馴染の可愛らしい女性がおり、せっかくの帰郷だからと兄弟と三人で近くの渓谷にお出かけ。
そこで、つり橋を渡る彼女が激しい渓流へ落下してしまう。
その時、そばに居たのは兄1人だった。 これは事件なのか、事故なのか・・・。

一見サスペンス風味ですが、基本的に揺らされるのは心の奥でタヌキ寝入りしている切なさの塊なんです。
田舎に残った兄の笑顔の底にある想い、それを感じゆれる弟。・・・うひー見てるこっちがツライっす(汗

仕方ないじゃないか、理由は理解出来る・・・だけど・・・という出来れば考えたくないあの切なさ。
その切なさをほじくり返すような勢いで、人との繋がり、家族の繋がりをじっくり描いており、かなりグサリとくる部分も。

監督が女性と言う事もあるのか、揺れ動く感情がスルーッと入ってくるんですよ。
「こんなシーンを見せたら、女性はいたたまれなくなるわよ」と赤ペン振り回して台本真っ赤にしてそうなくらい
グッと来るシーンが多かったです。気がつくと涙腺が熱い・・・やられたばい。
(あ、でも「その表現はやりすぎですわー(照)」って所もあったナー。1回だけだけど。兄、給油のところ)

また、役者が凄くいい。とりあえず検察官役のキム兄は置いといて、
オダギリジョーの熱演は凄い。「その長ったらしい髪を切れ!芸人は耳を出せい!」なんて思ってゴメンね。
正直、かなり見直しましたよ。名前がカタカナだから軽いイメージだったんだけども。・・・ちょっと好きよ。

さらに、兄役の香川さん。ミートボールが好きそうな彼も、さすがです。
ラストなんて、顔が映し出されただけで涙が出そうでしたよ。それだけ、役を完成させていたと言う事ですよね。
だてにミートボールが好きそうな顔してませんよ(失礼)。

胸に残る、観た後もゆらゆらさせられる本当にいい映画でした。
あ、キム兄もコントを思い出すけどなかなかでしたよ。


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