2006年 8月 2日  「ゲド戦記 
TOHOシネマズ名古屋ベイシティ


※小さな頃からジブリが大好きなばっかりに、ちょっと細かい事を言ってます。
始ったばかりの映画で、観に行こうと思っている方も多いのではないでしょうか。
このレポは鑑賞に支障をきたす場合がありますので、鑑賞予定の方はご注意下さい。
と言うか、読まないほうがいいっす。



あの映画は観ないよーという方は、ゆっくりしていってくださいね。





久しぶりの映画です。小さな頃からジブリっ子の私はもちろん新作のゲド戦記を見ますよ。
しかし、ウキウキの気分の中には「今回の映画・・・大丈夫かなぁ」という不安が。

ジブリと言えば宮崎駿さんですが、今作は監督・脚本を息子の宮崎吾朗(新人)さんがやられているそう。
なんでも、この息子さんはこの作品で絵コンテにまで初々しい手を差し伸べたと聞いたときには
もう、期待と不安で一杯ですよね。(しかし、初めて書いたコンテがこんな大作なんて凄いナー。)

※絵コンテとは、監督あるいは演出家が、実際の映画の画面、カット割り、台詞や演技・状況指示などを、
4コマ漫画のように、1カット1カット描き込んだものを言いますです。

そして、一通り観終わった感想は・・・全体的にダンボールの中のお葬式みたいな感じでした。('A`)イッチャッタ・・・



えーと、何から思い出したらいいのか・・ まずは驚くほど平凡な構図。
ジブリの味である「この場所を、こんな角度から見せちゃうのね!」と言う部分が本格的に無いんです。
どうも証明写真みたいな構図が多く、一気にぶわっと広がる風景も油絵(油彩)みたいに書いちゃってるから
ぶわぶわしちゃって思ったほど迫力ないっす。

私がジブリ映画で楽しみにしている雲。これも、油絵風味で描かれており、これはとても綺麗ですよ。
・・・でも、私はそんなのを求めてるんじゃないの!(吾朗のバカ!)

そして滑らかな髪の動き方、草の揺らめき、スカートの動きというジブリお得意の表現が全くダメダメ。
ジブリ特有の美味しそうなご飯は、まあまあの68ヨダレでしたけどね。(ドーラのハム・91ヨダレには及ばず)
今回も少女が出てきてるんだから、ちょっとは父を見習ってリアルに少女のしぐさを描いてみたらよかったのになー。
ある意味、駿さんに少女期があったんじゃないかと思うくらいの観察力はちょっと怖・・・

ストーリーは重く、さらに説明不足な為にこちらがどんどん鬱になってしまいます。
吾朗さんは映画の持つ無限の広がりに気が付いていないのか、せっかくの世界観がダンボールの中みたい。

ひたすら登場人物に説教くさいセリフを喋らせて、話はどんどん進んでいきます・・・。 
ない・・・見ている人たちの心の中に、ワクワクや納得、共感が全く生まれない。
なんだか、どんどんお葬式で説教されてるような気分に。
伝えたい事は何となく分るような気がするけど、それって逆効果な気がするナー。

そういえば、あの誰が得しているのかワカラナイ俳優や芸能人を声優に使う
悪しき習慣はなんとか見直して貰えないのでしょうか。
ジャニーズがコントやったら、お笑い芸人の立場が無いのに似てますよね。
そりゃお笑い芸人も歌って踊り始めますよ。 せ・・「世界の均衡が崩れつつある。」

そういえば、新人と強くプッシュされてた、テルー役の手嶌葵さん。
新しい試みは夢があっていいですよね。素朴な声に、プロモーションビデオのような歌のシーンが印象的でした。
でも、あまりの棒読みに、ついついパパが偉い人なのかな?って思ってしまいまs・・・アッ ゴメンナサイゴメンナサイ。


エンドロールが終わり、平日にもかかわらず混雑した劇場が明るくなると、
ポツリポツリと席を立つ人の中に、ぼんやり席に座り続ける人たちの姿。
うん・・気持ちはよく分る・・・でも、これはしょうがないよね、帰りましょう・・・そう自分に言い聞かせて
トボトボと映画館を後にしました。


と、酷い事ばかり書いて、一日経ってからこの文章を読み直して思ったこと、
それはファンの為だけの映画じゃないよな・・・とちょっと反省。ジブリファンは過去の栄光を求めすぎているのかも。
映像は動く絵画のようで綺麗ですし、原作を読んでいる方には内容も分りやすいのかなー。
でも、この映画が面白いって言う子供はちょっと凄いと思いますよ。(いろんな意味で)


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