2006年 3月14日 「ステイト・オブ・ドッグス」
名古屋シネマテーク


今回は犬の映画です。犬好きの私は、吸い寄せられるようにシネマテークへ。
一日二回のみ、私が観れる時間帯は20時半からの上映で、急いで夕飯を食べたせいか胃が痛い気がします。

『愛犬と一緒の写真を見せると1000円』と言うイベントに参加したいが為に、同額で見れる会員カードを出さずに
「えーと、写真これでいいですか?」と携帯電話画像を差し出します。
受付のお兄さんは画像を確認し、「もちろん、では1000円です」とニッコリ。あぁ、なんか嬉しい。
さらに、先着70名様のポストカードが貰えて、お得気分です。
(と言うか、3日目にしてまだ70人入ってないんですね)

映画は、愛らしいワンワン物語では無く、モンゴルの野良犬のお話です。
この作品も海外では10部門余りの映画賞を受賞しているんだとか。

簡単なストーリーは・・・モンゴルの首都、ウラン・バートル。
ある日、野良犬のバッサルは野良犬駆除の狩人に撃たれて絶命します。
「犬は死ぬと人間に生まれ変わる」というモンゴルの古い言い伝えを受け入れなければならないバッサルは、
もう一度人間を愛そうと、記憶をたどる旅に出ます。

いきなり登場して、なにやら大きな声で詩を朗読するお兄さん。
「あれっ もう映画始ってんの? これ本編?」という驚きと共に、その熱く語られる言葉に耳を傾けます。
生きるために、また死ぬためには どちらにも7つの理由が必要だ」という内容で、
あぁこの詩がキーになるのだなと思いつつ、お兄さんを見つめます。

そしてまもなく、ちょっと痩せて汚れているだけの可愛い犬達が射殺されます。
敵か味方か?と、こちらを見る犬達。撃たれる事を知らずに顔を背けると、パーンと乾いた音がして倒れる犬。
頭の中でオウム真理教事件の横山弁護士ばりに「も〜う や〜め〜でぇぇ〜!」と叫んでしまいます。

撃たれるバッサル。人を信じられなくなった、その屍から魂が抜けて記憶の旅に出ます。
モンゴルの荒野で遊牧をしている家族との のんびりした生活、捨てられてしまった悲しい過去、
ようやくたどり着いた寒く荒れた町での野良犬生活。

全体的にモンゴルの生活を見るドキュメンタリーのような映像で、それはそれで面白いです。
犬の魂がふわふわと思い出しているので、平坦でのんびりしている映像ですが、
それも逆に犬っぽくて良かったと思います。

ラストには女性が広大な大地をバックにヨガ(中国雑技団のようなスローな踊り)をしっかりと見せてくれ、
生と死や、女性の神秘を表現しているようで、まさにアート系映画でした。

純粋な犬を通して、勝手な人間を見直そうというメッセージが含まれていると思うのですが、
少ないようで、結構多い詩や映像のメッセージ。この濃い映画の製作期間は4年とか。
後でじっくり考えようと思い、記憶したシーンで頭がパンパン。未だに整理できておりません。
なんか怖いポストカード。


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