2006年 3月11日 「SPL/狼よ静かに死ね」 シネマスコーレ ジャッキーとの共演がきっかけで好きになったサモ・ハン・キンポー。私の一番のお気に入り映画「スパルタンX」では ジャッキー・ユンピョウ・サモハンの三勇士がお姫様を助けるという設定に、乙女心をかなり揺さぶられていました。 ひょっこり出てきて、優しくて、強いあのおデブキャラクターが大好きです。 そんなサモ・ハン・キンポーの最新作の予告を石井輝男祭りの際に、5回も観て 絶対に観なくては・・・と楽しみにしていた「SPL/狼よ静かに死ね」を観てきました。 今まで持っていたサモ・ハン・キンポーのイメージ。それは食いしん坊で、おっちょこちょいで 日本語吹き替えの声優、水島祐氏の甘い声からして優しい感じです。 しかし、今回はかなりイメージが違いました。ポスターにはサモ・ハンと名前が書かれ、鋭い眼差しと貫禄。 役柄はマフィアの大ボスです。もちろん吹き替えではないので、水島氏の声ではありません・・・寂しい。 簡単なストーリーは、マフィアと特別重犯罪捜査班のお話。 血なまぐさいと言うよりは、バイオレンスな男物語。何としてでも奴を逮捕してやる。 そんな男達の意地がマフィアの大ボスとの間で炸裂。 踏み込んだら地雷。じゃあ、あっちに踏み込むとやっぱり地雷。みたいな、妙なドキドキ感がありました。 やはり見所はアクション。最近、アクションと言うと「カンフーハッスル」とか「マッハ」なんかを思い浮かべますが やっぱり何かが違う香港映画。本物のアクションがきっちり詰め込まれています。 ワイヤーでカッコイイポーズのままビヨーンとか観客をアッと驚かせようという派手アクションでは無く、 どちらが強いのかと戦う者をしっかりと目を見開いて見守るシーンばかりです。 大きく膨らんだお腹はデブという言葉から、貫禄という言葉に置き換えられたサモ・ハンのアクションは それはそれはカッコイイ。太っているから動けないように見えますが、物凄いアクションですよ。 やっぱり長年の業と言うのか、一つ一つの動きがしっかりとしてブレも無く、重みのある自信にあふれたパンチや蹴り。 敵対する俳優に投げる蹴るをされると、貫禄の巨体はしっかり受け入れ、躊躇なくテーブルやガラスに飛んでいく。 「大御所なのに、結構やられるんですね(汗」と何度も頭の下がる思いでした。 すっかりお年を召して大ボスの貫禄が満載なのですが、ただ一つ、葉巻を口にくわえるサモ・ハンのシーン、 どうしても葉巻がソーセージに見えてしまいました。「ちょっとぉっ まだ食べてんのにぃー!(水島氏の声で)」 共演では、人気があるらしいけど私好みではないドニー・イェン、渋さ爆発の演技派サイモン・ヤム、 大陸出身のニュー・スターらしい、甘すぎる顔のウー・ジンが。 個人的にドニーイェンとサイモン・ヤムの配役を逆にして、ドニー・イェンがアンディ・ラウ(今回は出演してない)あたりに 変わってもらうと、もっと気合が入ったんですが・・・あ、ドニーの出番が無くなった(笑 でもアクションの事を考えたら、ドニーが必要なんでしょうね。アクション監督もドニーだし。 ちなみに、ウー・ジンは某ラーメンサイトオーナー様にそっくりでした。 男だらけのドロドロした世界ですが、ほんの少しだけ女性が登場するシーンがあります。 彼女たちは美しく、中でも赤ちゃんを抱いた女神的な姿は、女の私でさえ守りたい存在と感じる撮影の仕方。 そんな女性の存在が男達の戦意にも通じており、観ている男性陣はそれはもう感情移入出来るんじゃないでしょうか。 まさに男の意地と誇りをかけた戦いで、濃い内容の作品。 この映画もまた、海外で評価が高いにも関わらず、全国で大阪・名古屋・福岡(追加で京都・沖縄)しか上映されていないレアなものです。派手なだけじゃない、重みのある香港アクション映画が観たい方は是非。 |