2006年 3月 4日 「ホテル・ルワンダ」
名演小劇場

密かに話題となっている「ホテル・ルワンダ」を観て来ました。
1994年ルワンダで起こった民族間の抗争(大量虐殺)を基にした映画です。

トロント映画祭では観客賞を受賞、昨年のアカデミー賞では主要3部門にノミネートを果たすなど、
大変な注目を集めていたにも関わらず、日本では国内配給会社の買い手がつかなくて、
お蔵入りになりかけていた作品です。今回は色々な活動(署名等)を経て公開されることになりました。

買い手が付かなかったのは、内容の政治的問題ではなく
「この出演者の知名度や映画のテーマでは商業的にヒットしないだろう」と言う事と
「前評判が良すぎてフィルムが高額になってしまった→客が少ない→大損」という理由なんだとか。

いやいやいや、配給会社のオッサン ちょっと待ってくださいよ。
はい、その寿司持ってる手をとめて、よーく見てくださいよ、名演小劇場の客入りを。
もう凄い人ですよ。105席の劇場は満席で、「えぇ〜立見もダメですか」と懇願する人の姿も。
受付のおばさんも「こんな事は無いわ 毎回こうですよ」と興奮気味に教えてくれました。

特に広告をバンバン打った訳でも無いのに、この関心の凄さ。
それは、この作品の話題性だけでなく、中身も素晴らしいと言う事じゃないですか。
つまり、本当にいいものを嗅ぎ分ける力を持ってるんですよね 映画好きって。
いや、決して自分の事を凄いって言ってる訳ではないんです。嬉しいんですよ、この状況が。

例えば「キャシャーン」とか「あずみ」が同じように満席でも、こんなに嬉しくは思わないんです。
なんて言うか・・ あー 長くなるのでこの辺で止めときますね。(汗
(あ、キャシャーンやあずみが悪いって意味じゃないんですよ って、わかって頂けますよね。)

さて、映画の内容ですが 1994年のルワンダ。フツ族・ツチ族の日ごろからくすぶっていた抗争が爆発。
多数派のフツ族が、少数派のツチ族の大虐殺を始める。
外資系高級ホテルの支配人を勤めるポールは多数派のフツ族だが、最愛の妻はツチ族だ。
家族や隣人を守るために奔走するポール。次第にホテルにはツチ族の難民が押し寄せ・・・。

えーと、簡単に言うと「アフリカ版シンドラーのリスト」と言う感じです。(あら簡単)

不気味なラジオの音声から始まり、最後までスリリングで目が離せない展開。
人間の繊細な部分を垣間見つつ、自分のやるべき事をこなす精神の素晴らしさを感じました
メッセージ性が高く、胸がズキズキするのに、全然説教臭くはないんです。
さらに、虐殺シーンが少ないにもかかわらず、恐怖感がヒシヒシと伝わってくるのは
本当にセンスが良くて、素晴らしいと思いました。

こんな素晴らしい映画を、シネコンや大きな映画館でやらないのが不思議でたまらない。
観た後に「そこそこだったね」と言う映画がポンポン発生しているのに、勿体無くてしょうがないです。

この映画はオススメします。

今回、この映画は愛知では名演小劇場のみ。
3月24日までですよ。
ちなみに大人気なので、早めに行って整理券を貰ってください。(特に土日)
なぜか劇場内はかなり暖かいので、厚着は禁物です。私はノースリーブで手に汗握って観ました。


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