2006年 2月24日 追悼カルトの帝王 石井輝男まつり 「黄色い風土」
シネマスコーレ
 

お祭りも今日で終わりか・・・素敵な夜の数々をありがとう。と、シネマスコーレへ。
追悼企画5作品目の「黄色い風土」は意外にも真面目なサスペンス映画で、
今まで石井監督のいろんな意味でイケイケの映画を観てきたせいか、おや・・・と思ってしまいました。

簡単なストーリーは、週刊誌の記者が仕事先の熱海で自殺現場に遭遇。
職業柄か、コレは殺人ではないかと真相を追及していく。次々に起こる殺人事件。
謎のカトレアの女性は一体?・・・と言うか、俺、巻き込まれてない?という感じです。

石井監督の大好きなお乳は一度もスクリーンに写らず、役者さんの雰囲気も結構真剣。
火曜サスペンス劇場って感じでしょうか。見ているこちら側も真剣に事件を追います。
いたるところで「おっ ココでお乳くるか!?」と妙な期待をし、見事に期待はハズれて、
「あぁ 石井監督は真面目に撮ってるのに、お乳を期待するなんて・・・」と自己嫌悪に陥ったりしていました。
このお祭りで確実に脳が犯されているようです。

また、雑誌社の編集長役に、若き丹波哲郎さんが。これまたカッコイイ。私の知っている哲郎じゃないんです。
哲郎、どうしたの?そんな半袖シャツを折り曲げて、なんだかワイルドじゃない・・・素敵よ(ポッ

原作の小説をしっかり辿るように再現されているようで、流れるように殺人が起こり、怪しい奴が出てきて
なっ なんと!と言う結末。ちょっと単調なので、うわー ドカーン的な感動はあまりありませんでした。
しかし始って少し過ぎた辺りと、ラスト少し前辺りは「どうなるの!どうなるの?」とワクワク。
焼肉で例えると塩タン食べ終わった辺りと、牛ホルモンが網の上で燃え出したくらいのポジションです。(分りにくい)

石井監督祭りが5作品ありましたが、4作品は突っ走り気味だったのに、雰囲気を変えての5作品目。
「さぁ、オカルトもポルノもおしまいですよ」と犯された脳に知らせる整理体操的作品といったところでしょうか。
ピカソの普通の絵が凄く上手なように、メチャクチャな映画だけを撮る映画監督なんて居ないですよね。

さぁ、乳が揺れ、裸体が飛んで狂気が跳ねる幻想的な夢も今日でおしまい。
見終わって、寂しい気持ちと達成感、シネマスコーレに感謝の気持ちでいっぱいです。
5作品だけでしたが、とても有意義な映画祭に参加できて本当に良かったです。 あぁ、お疲れ、私。

石井監督の作品を見て、意外と重要な挿入音楽に興味を持ち始めました。あー サントラが欲しい!!
マニアックな作品のレポを読んでくださった皆様、お付き合いありがとうございました。


ちなみに・・・監督の他の作品の題名を見ていて、とても気になった「キンキンのルンペン大将」。
なんとあの愛川欣也さんが主演のようで、シネマスコーレにはなぜかポスターが並べて貼ってありました。
かなりレアなようで・・ お目にかかる事は無いでしょうね。
せんだみつおさんや、和田アキ子さんも出演とか。見たいナー。


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