2006年 2月20日 追悼カルトの帝王 石井輝男まつり 「やさぐれ姐御伝 総括リンチ」
シネマスコーレ
 (注)ネタバレありんす。

石井監督パワー炸裂の4作品目、やさぐれ姐御伝 総括リンチを観てきました。
「総括」って言葉と「リンチ」がくっつく事に、石井監督素敵だわと思わずに居られません。
『「総括リンチ」という言葉は当時の連合赤軍総括リンチ事件からきているようです』という情報を頂きました。ありがとうございます)
この映画はいろんな意味で本当に凄いです。自分が石井ワールドに深く引き込まれていくのがよく分ります。

簡単なストーリーは・・・股裂き殺人事件を発端に麻薬密売を営むヤクザ勢力争いをするヤクザが絡み合い
カッコイイ池玲子さん演じるお蝶姐御地元の女スリ集団不良女子グループが協力し合い、
立ち向かう・・と言う感じでしょうか。

オープニングは着物姿がカッコイイお蝶姐御が片乳出して殺陣を。
チラッと見える揺れる乳を「さすが石井監督!やっぱり乳は出すんだね!」と思って見ていたのもつかの間。
どんどん着物がはだけて、上半身裸に。あらまー。
「番傘の仕込み刀を引き抜き、立ち回りも決まってる〜!」と見とれていると、いつの間にか着物がはだけて
まさかのスッポンポンに。うぉぉぉ。
スッポンポンになって刀を振り回し、ズババーンとタイトルが登場。複雑な気持ちでカッ カッコイイ〜〜!(汗

話の大部分は姐御の視点から殺人事件の謎を解いていく感じなのですが、
入り組んだ下町のセットが本当に素晴らしかったです。栄の麺横を6倍くらいかっこ良くした感じでしょうか。
途中、聞き覚えのある音楽や建物が・・。あぁっ「恐怖奇形人間」で登場した子守唄だ!(喜
まさかの自作映画パロディに大興奮です。出てきた精神病院も見覚えがありますよ。
なぜかキチガ・・ 患者さんはパワーアップしていました。
他にも「忘八武士道」の妹。お気に入りの音楽も使われていたと思います。あうあうあー!(喜
3作品しか観ていないのに、石井監督のファンサービスを受ける事が出来て、物凄く得した気分です。
「シネマスコーレさん このマニアックな喜びをありがとう!」と心から思いました。

若きお蝶姐御は失態を犯した時、大親分に代わりに指を詰めてもらって助けられた借りがあるのですが、
グッと痛みを堪える大親分に「お前はカタギになるんだぞ」みたいな事を言われたにも関わらず、
しっかりその道で強く生きているお蝶姉御。大親分の小指に同情を禁じえません。

お話はラストへ滑るように向かいます。ヤクザ者のアジトで麻薬の取引シーン。
もう用無しだ!と殺されかけるやっぱり全裸の女スリ達。あっ 危ない!(笑
そこへ「ちょっと待ちナ!」と姐御が登場。かっくいい〜!
そしてあっちから不良グループ集団、こっちから地元の女スリの仲間達が。もう女コマンドー全員集合
まるで舞台を観ているような登場シーンで、ドキドキのワクワクです。
さぁ、おもむろに服を脱ぎ捨て、全裸になった女達とヤクザの戦いです!!
(なんで全裸か?なんて考えちゃダメ!)

全裸の子猫ちゃん達がヤクザに飛び掛り、殴る蹴るの暴行!
キャイキャイと股間を踏み、まさにリンチ!中には鉄爪(?)を着けた子猫ちゃんまで!
なんとなく裸の女たちとオッサンが戯れているだけの気もしますが、
それでも本気の戦いなんです。
彼女達の白い肌には真っ赤な鮮血が飛び、これがお遊びではない事を示唆しています。
ひっくり返ったヤクザに、集団で容赦なくお小水までかける非道ぶりも本気がなせる業ですよね!(汗

姐御も真剣に敵と戦い、舞台は壮絶なリンチが続きます。ある意味、全てを総括したリンチ。すごいです。
そして「観音様(股間と思われる)が風邪引いちまうぜ」みたいな台詞と共に、まさかのハッピーエンド・・?
ラストは思いきりのいい幕の引き方で、うっそーん!と思いつつ、大爆笑。

姐御、すごく馬鹿馬鹿しいけど、かっこよすぎるよ!と思いつつ劇場を後にしたのですが、
なんとこの姐御を演じた池玲子は当時18歳!ありえない!ありえない!こんな18歳見たこと無いっす!(汗
見事な絡みと艶のある美しさ、淫妖な色気はどこから出てくるんでしょうか。
30歳くらいかな?と思ってたのですが・・・脱帽を通り越して脱尿・・ いや、普通に驚きました(汗。 
見終わってからもテンションは高いまま!面白かったです!


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