2006年 2月15日 追悼カルトの帝王 石井輝男まつり 「徳川女刑罰史」 シネマスコーレ (注)ネタバレ&グロテスクな表現&気分が落ち込む危険性が少々あります。 さて、本日は石川監督追悼祭り2作品目の「徳川女刑罰史」を観て来ました。 またしても題名からヤバイ香りがプンプンしています。 覚悟して観たのですが、この気分の落ち込みは予想外でした・・。なんてったって刑罰史ですもんね(汗 内容は大きく分けて3部構成。きれいに繋がったオムニバス映画です。 始めのタイトルバックでぶら下がり打ち首シーンや牛裂きのシーンがあり、まさに「つかみはOK」。 「準備はいいか!?いくぞ!!」と石井監督の楽しそうな声が聞こえてきそうです。 3つのお話はどれも通常認められない異常な愛についてのお話。 一つ目は決して犯してはならない兄弟愛(近親相姦)。 二つ目は尼さんの異性、同性入り混じった強烈な愛憎劇。 三つ目は行き過ぎる芸術愛とサディスティック男。 「よーし、止める奴は誰も居ないな?やってやるぞ!」と頭の中いっぱいの拷問シーンを 思いっきり放出した石井監督。大好きなお乳の写りこむ角度までしっかり指示していそうです。 始めのうちは「うわー 人形と思っても気持ち悪いよー」と反応していた刑罰シーン。 なぜか観続けているうちに「あうっ 痛い! グァッ」っと拷問を受けている人に感情移入してしまい かなり気分が鬱に・・・。あぁ私のバカバカ・・。 刑罰や拷問って具体的にどんなの?とお思いの方。 「ダチョウ倶楽部」を本気で痛めつけているのや、「お笑いウルトラクイズ」の罰ゲームを 死ぬまでやり続けている感じを想像して頂ければいいかと思います。 あ、人間ルーレットとか。 しかし、今回も音楽がとても良かったです。 そこまで凝った音楽ではないのに、ストレートに気持ちに効きます。効きまくります。 音楽が素晴らしい効果音になっていると言うか、観客の気持ちが10倍にも膨れ上がる音。 (あ、前回も同じような事を言ってる気が・・) こんな音楽の使い方は現在の映画ではなかなか無いような気がします。 いきなり流行歌手の歌謡曲なんて流しちゃう事もありますもんね。それで感動号泣ならいいんですが・・。 この映画を「もう一度みたい」とは言えません。 もちろん、拷問や刑罰シーンを再度観たくないだけで、つまらないと言う事では無いんですよ。 こんな映画は観たことありませんでしたし、「なかなか観られないようなものが観られて良かった」と思います。 色々なジャンルを表現していくなかで、こんな映画も必要ですよね。いいもの観させて頂きました。 上映終了後、パッと明るくなった場内はシーンと静まり返っていましたが。 |