2005年10月21日 「メトロで恋して」
名演小劇場


予告編を見て気になっていた映画、「メトロで恋して」を観てきました。
空腹を抱えつつ、たどり着いた名演小劇場。
毎度、ここの受付の優しげな顔つきのおじさんやお姉さんには心癒されます。
待合に置かれた飴、花のくちずけを見つけていきなりお腹がなったのには驚きました。

この映画は男女の純愛と、美しいパリの街並みをゆったりと丁寧に描くフランスの映画です。
地下鉄で知り合い一瞬で恋に落ちた二人、愛を育み結婚を決意したその時に、彼女は不治の病だと宣告されます。
描きようによっては号泣する内容ですが、これは涙を流すことはありませんでした。

まず、特筆したいのは男性の純真さ。
恋に落ちてロマンティックになるのは男性の方かもと思わせる演出にかなり好感度大です。
中でも、彼女が残した置手紙を嬉しそうに二回も読んでしまう部分。
手紙の内容は彼女の声で囁くように朗読されるのですが、二回目は「なに二回も読んじゃってるのよっ」って
照れたような彼女の読み方にこっちまで照れます。ラブラブじゃないかちくしょう(ノ´∀`*)

また、おしゃれな音楽が沢山流れるのですが、恋する二人がデートする川辺では
いきなり歌いだす二人にビックリ。しかし曲の内容からも育つ恋を目の当たりに出来てとても良かったです。

「フランス語は愛を囁く言葉」とよく聞きますが、何を話しても愛を語っているように思えてしまいます。
「煮玉子トッピングで」と言っても恋っぽい言葉に!?なんていい言葉なんでしょうフランス語!

全体的に美しくゆったりしたこの映画。
彼女への愛と現実に葛藤し、精神的に青年から大人の男性へと成長する過程を見守りつつ
家族の絆と、素直に生きる事の大切さを考えさせられます。
また目は、語られる詩集のような言葉の一つ一つを記憶すべく忙しく字幕を追いました。
(実際、有名な小説の朗読)

いきなりの終わり方に酷評されているのを見ましたが、これでこそおフランス映画。
何ともいえない切なさに、胸がきゅんとなるのがいいんです。
いきなりの終わり方に動揺する気持ちと、切ない気持ちがシンクロするのがいいんです。
特にこの映画はその意味で濃厚。
お約束みたいなものなので良い悪いは言い表せませんが、
そんなフランス映画が好きだと言う方が居れば、この映画をお勧めすると思います。



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