2005年10月13日 「蝉しぐれ」 
TOHOシネマズ名古屋ベイシティ

蝉ぎらいの私が「蝉しぐれ」を観てきました。だから何と言うわけでも無いのですが(笑

黒土三男監督、市川染五郎、木村佳乃、緒形拳、ふかわりょう、今田耕司らが出演。
藤沢周平の長編小説「蝉しぐれ」が原作で映画化に15年の歳月が費やされたそうです。
(公式サイトに書いてありましたが、15年て凄いですよね 汗)

この映画を一言で表すと、庶民に近い下級武士の暮らしと青春、陰謀と淡すぎる恋の美しさ。
あー 完璧かも知れない。(自己満足)

何がいいって、まず何でもない村の風景の美しさ。
風景は四季を通じて美しく、建物や木などと人物を挟んだカットがとことん美しいんです。
この一瞬を撮るのにどれだけの時間を費やしたのか?と心配になるほどです。

そして、人物が美しすぎる。主役の二人(市川・木村)はもちろん作り物のような美しさ。
市川の眉毛が整いすぎているところは気に入りませんでしたが・・・。
また、市川の父役の緒方拳が意外とカッコ良かったです。序盤はそれといって目立つ部分はありませんが
セリフが無く、感極まるシーンでは胸が張り裂けるほどに気持ちが伝わり最高でした。

なんと私の大好きな田中要次さんが侍役で出演しているではないですか!
しかし、セリフは一言も無し。でもそれが田中氏のお役目でござる。
綺麗な顔ばかりで退屈していたところなので嬉しかったですよ。迫力で演じる田中氏、やっぱり素敵です。

子役は少し演技力に頼りなさを感じましたが、観ているうちに気にならなくなりました。
とにかくヒロインの子役が物凄く可愛かったです。
ちなみにふかわりょうは以外にも違和感ありませんでしたが、今田耕司はコント風味が漂いました。
現代劇なら大丈夫なのでしょうが、時代劇はちょっとキツイかも・・。
天狗のお面を持たされたりして、今回はそんな役回りだったかも知れませんが(笑

日本の美しさが満載のこの映画、もちろん恋も美しいです。
アメリカ映画なら奪っていくであろう場面でも、耐える恋の美しさをまじまじと感じます。

また、複数の敵に囲まれた殺陣の場面では、人を斬るたびに用意しておいた新しい刀に取り替えたり、
初めて人を斬る時の動揺する描写等がリアルで良かったです。

登場人物も多くなく、分りやすい話なので気楽に楽しめる時代劇。
とりあえず、原作もあらすじも知らないままで観た方がいいと思います。
ただ、細かい事かも知れませんが、アップで映るピアスの穴は編集で消せないものでしょうか・・。


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