2005年 9月21日 「樹の海(公式HPは内容があまりに詳しいのでお勧めしません)
名古屋シネマテーク


映画仲間に誘われて、フラッと観に行った映画が当たりでした。凄く良かった。
さらに映画が好きになりました。

瀧本智行監督、出演は萩原聖人、井川遥、池内博之、津田寛治、塩見三省、大杉漣など。

もうどこから誉めていいのか分りません(笑
しかもあまり内容は書きたくない。いい作品って、大切にしたいですよね。
なので、興味のある方はコレ↓読まずにシネマテークに駆け込むか(ただし23日まで)、
DVD化を待ってください(オイオイ

・・・と、そんな事を言っていてもしょうがないのでチラッと。

演技派の俳優が勢ぞろいで、文句無しの見ごたえ。井川遥も少しポッチャリして可愛かったです。
池内博之演じるどチンピラも最高。彼は本当に演技が上手くて監督のやりたいように魅せているし、
上司ヤクザ役の田中要次も最高にかっこよかった。脇役だけどいつもながらにいい味出してます。
大杉漣演じるサラリーマン、これまた泣かせる。いい話過ぎるのに嫌味が無い。
この先、この作品に登場した俳優は、全員贔屓目に見てしまいそうです。

さて、問題の内容は4つのエピソードで構成されます。
それぞれが持つ悩みや生き死にを広大な森が交錯させ、観客に感じさせます。
自殺という死を選ぶ人のナイーブな気持ち。深い樹海が、そのナイーブさを受け入れ神秘的に彼らを待つ。

観ているだけで、ひんやりした森の空気が感じられて、なぜか癒される。
そう、死を扱う映画なのに、なぜか癒されるんです。

死の儚さを見せ付けられ、さぁ生きよう。と優しく慰められたような感覚。
静かで深い緑と孤独が自殺者に「無になる死」を連想させ、それでも死ななくてはいけないか、
死にたい理由は、死ぬとはなんだ、と語りかける。
どんな者でも優しく迎え入れる樹海は、どんな者でも生きなくてはいけないと包み込む。

メッセージ性が高く、観る人によって感じ、感動する場面が大きく違ってくるであろう映画。
静かですが美しく、素晴らしい映画です。
私はかなり好きです・・・が、これから観られる方は期待しないで観てください。

上映後、映画仲間と「なぜもっと大きな劇場でやらないのか、やっぱりぺ?チョコレート?」と議論しますが
「好みもあるし派手な映画に慣れている人に、つまらないと言われるよりはマニアで愛でる方がいいな・・」と結論付けました。

樹海に少し興味がある気がする方はこちら


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