2005年 8月29日 「楳図かずお 恐怖劇場」 名古屋シネマテーク なかなか観たい映画が無くて、もっさりした気分でシネマテークのHPを覗いてみると・・ いいのやってるじゃない!! もうウキウキ。かなり短い期間しかやってない作品で、 楳図かずお先生のデビュー50周年記念として、6作品をそれぞれ違う監督が映画化に挑んだオムニバス。 6作品を3回に分けての公開です。 名古屋シネマテークは古いビルの二階。45席の味のあるミニシアターです。 今日は最前列に可愛い座椅子が並べられていました。 昨夜は楳図かずお先生が舞台挨拶に来られたみたいなので、きっと凄い人だったんでしょうね。 今回はAプログラムの2作品。 映画が始まると、オープニングの歌と映像が。なんともカッコイイです。まるでアニメを見始めた感じです・・・が、 楳図かずおさんの顔がヌッと現れる、なんとも こうしてみると、楳図先生が男前に見えてしまうスクリーンマジック。ルルティアさんの曲もすごく良かったです。 原作がありますので、少々ネタバレしますよー。 Aプログラム 【蟲たちの家】 黒沢 清 監督 52分 主演:透き通る美しさで、最近は「嘘つきっ」が可愛い緒川たまきさん 北野映画のDollsで菅野美穂を赤い糸で引きずって歩いた西島秀俊さん ストーリー:妻が虫になってしまったような気がする旦那が、自分に好意を寄せる後輩に確かめてもらおうと 家に連れて行ったのですが・・・。 虫になる、と言うのは現実から逃れる為にした逃避妄想ゆえの変態。 変態した本人と、それを取り巻く家族の様子を描く点でもこの物語を思わせます。 緒川たまき演じる奥さんの女性独特の妄想は、誰しもが陥る恐れのある被害妄想。 思い込みはいつでも起こる思考で、どこまでも追求できるもの。思い込めばいつか現実になる。 これがこの作品の恐怖なんですね。 その内なるもったりした恐怖を分りやすく映像化してあってとても良かったと思います。 白い肌のたまきさんは、蜘蛛になった際には人形のような完璧な美しさ。ついウットリ見入ってしまう程です。 ラストまで気が抜けない雰囲気と演出が凄いと思いました。 【断 食】 伊藤匡史 監督 67分 主演:レオパレス21のCMやウォーターボーイズのどこかに出演している上野未来さん 特技は楳図かずお風の絵を書く事と言う、少々棒読み気味なグラビアアイドル中川翔子さん ストーリー:好きな男の子に告白して、断られてしまったおデブ女子高生は痩せている妄想に取り付かれていた。 太っている事に気が付き、心底痩せたい彼女は精神的に追い詰められ断食。 見事に痩せて意中の男の子を射止めることが出来るが・・。 観ていて、ストーリーはなんとなく掴めるのですが、やや分りにくい・・。 場つなぎ的に大きな音と空の映像が時々入るのですが、コレがまた凄い不快。さらに少し安っぽいです。 不安な、気持ちの悪い状況を表現したいのかもしれませんが、妹。耳ふさぎました。 太っている状況の彼女は、同級生のような満足な化粧もされず思いっきり「醜い」イメージで描かれており ちょっと配役の子が可哀相なくらいなのですが、プリクラに写る彼女はちょっと可愛かったんです。 それを見て この断食も精神的な恐怖だなぁと思いつつ観るのですが、ラストが衝撃過ぎ。 ちょっとグロテスクな場面があるのですが、その後がさらに脱力。(多分原作には無いラスト。) 何考えてるんだとしか言いようが無いんです。これは笑う場面のはずなのに、誰一人笑わない。 なんで笑わないんですか?と聞きたいです。全員に。 妹。我慢してお腹に汗かきまくりです。 しかし、残念ながらこのシーンだけで一気にB級映画になりました。 あ、そうか皆さん怒ってるんだな。 多分・・狙っているんだろうけど・・・伊藤監督しっかり(汗!!! 各作品の最後にもルルティアさんの歌に乗ってエンドロールが。 なかなか面白かったです。興味を持たれた方はどうぞお急ぎ下さい。 あっ、恐怖劇場とありますがグロテスクな場面が少々あるだけで、オバケーとかそんな恐さではないです。 妹。もホラー嫌いですが、大丈夫でした。(今のところ) 8月27日(土)〜9月7日(水)連日20:30-Start
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