2005年 8月 8日 「亀は意外と早く泳ぐ
名演小劇場


毎回即日完売、常にチケットが手に入らないことで有名だったシティボーイズのライブの作・演出を手掛け、
「ダウンタウンのごっつええ感じ」「笑う犬の生活」「トリビアの泉」などでも独自の笑いを築いてきた三木聡。
満を持して今年、『イン・ザ・プール』に続く長編第2作目として公開された『亀は意外と速く泳ぐ』を観て来ました。

場所は新栄の名演小劇場、初めて行く劇場です。小さなビルに2スクリーン。
すごく良心的な劇場で、待合には小さなテーブルに飴やラムネが置いてあり、給茶機によるお茶の無料サービス、
雨の日などにご利用くださいと乾いたタオルや季節ごとに冷・温のお手拭のサービス。
コレだけで、ここの劇場が好きになってしまいました。また全50席の椅子の座り心地も大満足。

さて、楽しみにしていた映画は素晴らしくくだらない。力が抜けて魂まで抜けそうになる脱力感。
何にでも答えが必要な方には苦痛以外の何ものでもありません。この映画は理由も答えもありませんから(笑
普通の主婦がスパイになる。日常にありそうで絶対に無い世界。沸き起こる感情は興味・笑い・苦笑いです。
でも、真面目な顔をしてくだらない事をする。これって凄く素敵ですよね。

立派な大人がクスクス笑いながら作ったであろう力作。愛すべきバカ映画です。
ネタがいっぱい詰め込まれているのですが、ただ笑わせるだけでなく、センスが良いので全然嫌味がありません。
ネタ映画では宮藤官九郎監督の「真夜中の弥次さん喜多さん」がありましたが、
この「亀は〜」はわざとらしさが無く、あの笑いを洗練してドタバタ感を取り除いた感じです。

緩い頭をしている私には、驚くほどフィットした世界感でとても面白かったです。

また平凡な主婦の周りを囲む“三木組”の曲者役者がまたいい味を出していて、最高。
ストロー肝臓、下水にイカ飯、ねっとりひょうたん、キモい要潤。これらのネタが気になりませんか?
金持ちドッカン映画に飽きてますよね?緩い笑いが好きな方、オススメしますよ。
まずは公式ページの短編集ムービーを見てください。愛しい笑いにニヤケます。

ちなみにネタの中に「そこそこの味のラーメン」というのが出てくるのですが、これがまたいい話なんですよ。
(いや、そこまでいい話では無いのですが、この映画のほかの内容と比べるとホロリパートだと思います。)
このシーンが印象的で、「そこそこの味のラーメンを食べよう!」と劇場を後にします。

待合になぜか「一日一めん!」と書いたうちわが・・。


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